2017年
12月
6日
|
14:00
Europe/Amsterdam

1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”

A.ランゲ&ゾーネの伝統が息づくジャンピングセコンド

A.ランゲ&ゾーネは、2017年1月に他界したブランド再興の祖であるウォルター・ランゲに敬意を表すため、1815ファミリーにふさわしい非凡な複雑機構を搭載する新モデルを開発しました。それが、1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”です。このモデルには1秒ごとに歯切れ良く進むジャンピングセコンドが搭載されています。この機構は、創業者であるウォルター・ランゲの曾祖父、フェルディナント・アドルフ・ランゲの150年前の発明に由来する技術です。

機械式時計の秒針は「スイープ運針」であると、一般には言われています。この運針法では、秒針がテンプ振動数に応じて1秒を5~10等分にして小刻みに動き続けます。このように秒針が止めどなく進むと、時には不都合なこともあります。文字どおり1秒を争うようなショートタイムを計時する際に、計時開始と計時終了時の秒単位を正確に読み取ることができません。それに対し、複雑機構「ジャンピングセコンド」は、時の最小単位である秒をはっきりと指し示します。

1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”は、時間測定法の二つの技術を備えています。6時位置にあるサブダイヤルでは小さな秒針が、毎時21,600回というテンプの振動数を再現するように、すなわち6分の1秒刻みでインデックスからインデックスへと進みます。それに対し、センターセコンドのブルーの針は、1秒ごとに歯切れ良く進みます。この秒針は、常時動き続けることもできれば、必要に応じて停止することもできます。2時位置にあるボタンを押すと、センターセコンドが停止したり、動き始めたりします。このボタンを操作することにより、例えば脈拍数を測定することもできます。

ウォルター・ランゲにとって、スタート・ストップ機能付きステップ運針式センターセコンドは特別な意味合いを持つ機構です。それというのも、この技術には、彼の曾祖父であるフェルディナント・アドルフ・ランゲが1867年に発明し、祖父のエミール・ランゲが実用化して懐中時計のマスターピースを作り上げたという家族の歴史が息づいているからです。A.ランゲ&ゾーネはその技術をさらに開発し、4分の3プレートに取り付けて完成した「ステップ運針式秒単位ムーブメント」により、1877年に特許を取得しました。これは、ドイツが初めて交付した特許のうちの一つです。

1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”のジャンピングセコンドの制御に、祖父が作ったマイスターピースに倣い、スラップアームと星形歯車の原理を取り入れました。1秒経過するごとに、星形歯車の5個の突起の一つが、ピンと張ったアームを解放します。この時、アームがピシっと放たれるように動くことから、時計師たちはこれを「スラップアーム」と呼んでいます。スラップアームが解放されると、歯車が一気に360°回転し、次の突起がスラップアームを受け止めます。この一連の動きにより、秒針が次のインデックスにジャンプします。4分の3プレート上に配置されている角穴車は、二つの役割を担っています。一つは、ステップ運針に必要な動力を蓄えること、もう一つは、センターセコンドの針を静止させることです。

ウォルター・ランゲがイメージしたであろう完璧な時計はどのような時計だろうと検討して得られた答えが、ジャンピングセコンドを搭載した1815です。外観では本質的なものだけに絞り込み、内には確かなものを秘めている — つまり、シンプルな外観でありながら技術的に興味深い複雑機構を搭載している時計に辿り着いたのです。線路をイメージしたレイルウェイモチーフの分目盛りがぐるりと走るシルバーカラーのダイヤルに、青焼きしたスチール針が鮮やかに浮かび上がります。新開発されたムーブメントには、ウォルター・ランゲの誕生年にちなむキャリバー番号L1924が刻まれています。さらに、Ref.番号の上3桁の297は、ウォルター・ランゲの誕生日7月29日に由来するものです。1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”は製作本数限定モデルです。直径40.5ミリのケースには3色あり、限定数はカラーによって異なります。ホワイトゴールドは145本、ピンクゴールドは90本、イエローゴールドは27本のみ製作します。この異色の限定数は、マニュファクチュール・ランゲの歴史の中で節目となった年、または年数を表しています。フェルディナント・アドルフ・ランゲが工房を設立したのは1845年12月7日です。そして、ウォルター・ランゲがランゲ・ウーレンGmbHを商業登記したのは1990年12月7日 — 初設立の日からちょうど145年後のことでした。そして、会社再興の日から、私たちがウォルター・ランゲへの敬意を表するために開発した新モデルを発表する2017年12月7日まで、まさに27年の歳月が流れています。

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