2020年
4月
24日
|
18:00
Europe/Amsterdam

ツァイトヴェルク・ミニッツリピーター

ホワイトゴールドケースにディープブルーダイヤルを収めた限定モデル

2015年に発表されたツァイトヴェルク・ミニッツリピーターは、瞬転数字式時刻表示と十進式ミニッツリピーターを連係させた世界唯一の時計です。この複雑を極める時計は、組み立てるだけでも数カ月を要し、これまでプラチナモデルのみ製作されていました。発表から5年を経た今年、ディープブルーのダイヤルを収めたホワイトゴールドエディションを30本限定で製作します。

ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターは、伝統的なミニッツリピーターを根底から検討し直して開発した時計です。そのハンマー打ち機構は、15分ごとではなく10分ごとに重複音を打ち鳴らし、音で「デジタル式」に時刻表現をする画期的なものです。

10時位置にあるリピーター用ボタンを押してハンマー打ち機構を作動させると、ダイヤルに表示されている数字と同じ回数だけチャイムが聞こえます。逆に言えば、聞こえるチャイムの回数をダイヤルに読み取ることができます。7時52分を例に具体的にご説明しましょう。左ハンマーが正時を表す低音を7回打ち鳴らします。そして正10分を知らせる重複音が5回鳴り響いた後、右ハンマーが正分を高音で2回打ち鳴らします。光沢研磨されたゴングとブラックポリッシュが美しいハンマーは、ダイヤルに慎ましく収まっています。

機構の特色

このハンマー打ち機構を開発するにあたり、ランゲの設計技師たちは、時リングと2枚の分ディスクで時刻を表示する瞬転数字メカニズムの原理を応用しました。瞬転数字メカニズムではその構造により、表示メカニズムと連係するカタツムリ形カムを直接なぞって、正時、正10分、正分のそれぞれの打鐘回数を見分けることができるのです。同時にハンマー打ち機構の信頼性を向上させるために、読取面にゆとりを持たせました。こうして、見える時刻と聞こえる時刻が常に一致するようにしたのです。

スライダーではなくボタンで操作

ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターには、ハンマー打ち機構を作動させるためのユニークなボタンが付いています。ハンマー打ちに必要なエネルギーは香箱から供給されるため、通常のミニッツリピーターのようにハンマー打ち専用のバネを引っ張るスライダーは必要ありません。ケース側面に大きなスリットを開ける必要がないので音質を劣化させる要因が排除され、透き通るような音色を響かせます。ボタンはスライダーと異なり取付け部分を遮蔽することが可能なため、ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターは3気圧防水性能を約束します。

美しい調べ

ランゲの開発技師たちはケース、ハンマー、ゴング、ムーブメントの構造など音質に関連するすべての要素を相互に、細心の注意を払って厳密に調整し、最高水準の音質を創り出しました。大きなホワイトゴールドケースは、力強く暖かみのある音を響かせます。手作業で慎重に調律した二つのゴングは、澄んだ音色で余韻を長く残し、二つの音色が完璧に共鳴します。

粋な心配り 

ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターは、操作性を最優先して設計された技術の粋を随所に備えています。

リピーター作動中に時刻表示が進むと複数の機構が干渉し合う恐れがあるため、リピーター機能を有効にしているときは、最長20秒間の打鐘プロセスが終了してから数字ディスクが進む工夫がなされています。こうして時刻表示の切替えのタイミングをずらすことにより、打鐘時刻とダイヤル上の表示時刻が常に一致するのです。

また、同じ理由で、ハンマー打ち機構が作動中はリューズを引き出せないようになっています。リピーター用ボタンを押すと、ハンマー打ち機構を駆動する角穴車から巻上げ輪列が切り離されます。これにより、リピーターが作動するとリューズと巻上げ輪列が一緒に回転するのを防ぎ、ひいてはエネルギーの浪費を回避します。

さらに、パワーリザーブ残量が12時間を切ると、ハンマー打ち機構が作動しなくなる措置が講じられています。そのため、ハンマー打ち機構は常に表示時刻が示す回数のチャイムを鳴らし終わるまで作動し、打鐘中に時計が突然止まってしまうことはありません。パワーリザーブ表示の目盛りに付いている赤い点が、パワーリザーブ残量12時間を示すマーカーです。

瞬転数字式表示機構

瞬転数字式時刻表示を搭載し、デザインの明快さをとことんまで追求したツァイトヴェルク ファミリー。3枚の数字ディスクで構成される時刻表示の大きな数字は、一般のデジタル時計と同じように左から右に時刻を読み取れるように配置されています。当然のように聞こえますが、これは実に複雑な機構なのです。カチッというわずかな音をたてて、肉眼ではほとんど見えない速さで特許技術の瞬転数字式表示機構を1分ごとに進めてゆき、やがて時表示が切り替わる瞬間を迎えると、一挙に3枚の数字ディスクを一段先に進めます。数字ディスクを進めるには、並外れて強力な主ゼンマイが必要です。同じく忘れてはならないのは、加速して回転するディスクの勢いを鎮めて、ムーブメントの損傷を防ぐことです。そのために、数字ディスクが進むたびに過剰なエネルギーを吸収するファンが取り付けられています。

動力制御メカニズム

ツァイトヴェルク ファミリーのモデルにはいずれも、数字ディスクを1分ごとに瞬時に回転させるためのペースメーカーとして特許技術の動力制御メカニズムが香箱とテンプの間に組み込まれていますが、ツァイトヴェルク・ミニッツリピーターも例外ではありません。動力制御メカニズムはさらに、ゼンマイの巻上げ状況と大きなエネルギーを必要とする切替えプロセスに関係なく、パワーリザーブの持続期間を通じて常時テンプに一定の動力を供給し、歩度を安定させるために重要な役割も果たしています。

最高水準の工芸技術を駆使した完璧な仕上げ

細心の注意を払いながら手作業で無数の工程を経て仕上げられた自社製キャリバーL043.5は、771個の部品からなります。受け石93石のうち3石は、ビス留め式ゴールドシャトンで固定されています。すべてのランゲウォッチに入っている銘とも言えるハンドエングレービング入りテンプ受けとの審美的なバランスを考慮して、ガンギ車の受けにも同じ模様のエングレービングを入れています。

2020年エディション 

2015年に初披露されたツァイトヴェルク・ミニッツリピーターに、ケース直径44.2ミリのホワイトゴールド エディションが仲間入りします。同じ素材のフォールディングバックルを組み合わせたこのモデルは、製作数30本の限定版です。シルバー無垢をディープブルーにコーティングしたダイヤルには、ロディウム仕上げの洋銀製タイムブリッジが鮮やかに浮かび上がります。ブルーの手縫いのレザーベルトを添え、全体を優美な容貌にまとめています。この製作数30本の限定モデルは、世界各地のA.ランゲ&ゾーネ・ブティック33店舗でのみ取り扱います。

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